#maddlog

青い食べ物やインテリアが好きな人です。最近はパンばっかり。

彼らは旗を掲げて歩いていく。

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過去に私はアウシュビッツビルケナウに行ったことがあるのですが、そのときのことを。あそこへは日本人が訪れるのは年間での訪問者は少ないとききます(いくつか数字調べたのですが結構マチマチなので明記は避けておきます)だから、結構実態を知らない方も多いのではないでしょうか。

 

実際訪れてみると、イスラエルの学生たちがとても多くいたなという印象でした。日本でいう、修学旅行生が広島にいく感覚に近いと思います。彼らはアウシュビッツで見学をするのはもちろんですが、驚いたのは旗を掲げて収容所を歩いてたことですね。これはちょっと、日本人にはない感覚なのでぞっとしました。検索すると、やはりイスラエルからの学生らは常に旗掲げて歩いてるようです。

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おそらくお祈り。

 

このアウシュビッツの前日、私はシンドラーの工場に訪れていました。…が、実はこっちのほうがものすごい恐怖と不穏感に襲われてるものでした。あまり長くいると精神的に保てなかったんじゃないかなと思うほどに恐ろしいのです。ぱっと見、「とても怖い展示」をしているというわけではないんですが、空間そのものの作りが当時の再現を徹底してまして、かなりインパクトを与えるように作られています。なので見ていると滅入ってくるんですね。BGMとして当時の人々の会話などが聞こえるようになっていて、騒々しさや日々の暮らしに安息がなかっただろう様子を、息の詰まるような空間で体験することになります。

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見学したその時、私自身あまりにもその場の雰囲気に飲まれてしまったので見学後ホテル帰るまでが怖くなってしまったんですよね…。結局高いのか安いのかわからないけど、そのままクラクフの中心まで観光用の車でつれてってもらったのでした。それぐらい、逃げ出したくなったし「安全な場所」だと思うホテルへ帰りたくなったのです。自分でもだいぶ青ざめてたと思います。そうでなくても結構ポーランドの街は暗いので、慣れてないと精神的にやられるということもあり…。治安は他のヨーロッパ諸国よりはいいんですけどね。

 

ここで感じたのは、特にユダヤ人の人たちが自分たちが「何をされたか」というのを強く認識できることだな、とも思います。その気持ちを褪せさせないというか、第三帝国がどれだけ恐ろしいかを知り、また、アイデンティティとして刻まれていくのかなとも思いました。

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私がそこで知ったのは、シオニストたちの存在です。(ユダヤ人すべてがシオニストではないということは忘れないで欲しいのと、イスラエルがすべてシオニストではないということも記憶にとどめていただければ)

 

不勉強なまま強制収容所と工場に行ってしまったということもあるのですが、ここで抱えている問題や、今後もしかしたら「また何か起きるのではないか?」という可能性をはらんだものを鈍感な私でも感じたのでした。まだまだ知らない側面も多いので安易に知ったかをできるわけではないのですけれども。

 

戦争の残酷さや、罪もない人を虐殺していく過去を知るだけはなく、それがどう今後かわっていくのかを考えると、この展示をみるだけでも視点が動かされます。現在、中東の動きや、アメリカの動きはどうなっているのか、ヨーロッパは…など、これらを含めて国際情勢をみていくと、あまり明るい未来を想像することは正直できません。

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現在ガザ地区が攻撃されているのは即辞めてほしいことです。ネタニヤフ氏とハマスがどうのという前に、罪もない民衆が殺害されているこの状況を誰が好意的に受け止めるのでしょうか。中継を一部みましたけれども、サイレンとニワトリの鳴き声が響く夜明け前に、炎がたちのぼり爆発音が響く様はとにかく恐ろしいものでした。

 

歴史上何度も繰り返されてきた争いを、現在も起こすのは正しいことだとは思えません。少なくとも庶民が巻き込まれる惨状は拡大などされなくていい。

 

一刻も早く、このあまりにも酷い戦いが終わることを祈っています。

 

引き続きガザ及びパレスチナ情勢については情報を追っていくつもりです。それでは、本日は長くなりましたがこのへんで。