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青い食べ物やインテリアが好きな人です。最近はパンばっかり。

新宿セブン (マンガ)

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さて、原作よみました!

ドラマから入ってしまったので漫画ゴラク読者からしたら異端な読者かも…。かなり邪道かもしれません。観月先生、奥先生、すみません〜!

漫画ゴラクは昔からある極道をよく扱ってる印象がありましたが、調べたら1964年から刊行されている50年以上の時代を持つ週刊誌で、キャッチコピーが「本物の漢たちに贈るエンターテイメント!」なんだそうです。30-50歳が主な読者らしいですが私の印象だと40〜60歳な気がしないでも。この女性読者いなさそうな感じが好きです!(最近の少年誌は女子が読んでるから、少年心をくすぐるものや、漢ッ!!ってのを求めてる人間にはものたりない)

 

 

で、新宿セブンは私としては題材が好みです。まず、いろんな鑑定と蘊蓄がありますし、なにより舞台は歌舞伎町です。私自身はあの猥雑な感じが大好きでして、もう近寄ることはほぼないのですが。(念のためいっておくとヤバいことをした過去はなく、新宿コマ劇、シアターアプルに用があったりして20年ぐらい前はよくいってたところなのです) いまや映画館やエンタメ施設ばかりで健全になり、かつての若松さんの作品や、寺山感もないですが。。しかし、そんな「今の」歌舞伎町を描いてるこの作品がすき!

 

主人公七瀬はドラマだともうすこしクリーンかつ爽やかですが、漫画だと酒豪かつ女の人が大好きで、基本的に拳ですべてを解決しています。健太くんはでてくるけどハナちゃん、エリカ、シノブさんもろもろはドラマオリジナルだったのね。

私は時計や万年筆などはわかりませんが、(かといってキャバ嬢の持ってる鞄をわかることもないですが…)男のロマンがわかるのがいいですね。あと骨董品とか!このへんはまったく私が興味ないところなのでなるほど!となって勉強になりました。わかったのティファニーのオープンハートぐらい。これはクリスマス終わった後、よくメルカリかなんかのオークションにでまわりますからね。

カメラは説明ないけどなんかの買取でキヤノンがでてきてたなぁ。ライカは二回でてますね。(あーくそ、欲しい。となったのは秘密。欲しいのは5年ぐらい前にでたモノクロの80万ぐらいするやつですが…ライカ使いこなせたらいいですよねぇ)。

 

査定の描写はおもしろいです。語ろうと思えばもっと深く語れるところを七瀬はサラッというだけに留めるので、いわゆる話の長いウザいおっさんにならないのがいい。私がわかる範囲ですと、ダイヤはランクにGとかあるんだけど(中の異物の混入とかで判定する)、鉱物コレクター的な視点での書き込みとかしはじめるとキリがないし、三大カッターの会社とか、どいつもこいつも話し始めると石ってめんどくさいんですよね。でもこれは時計だろうと酒だろうと同じだと思います。ドラマだとブシュロンでてきたなぁ。健太くん、めっちゃがんばりましたね。。

 

七瀬は下草だけでなく、人を見ろといっています。ここがすごくすき。特にモノを贈る、贈られた、のエピソードにはバックグラウンドとして「なぜそれを選んだか」が描かれているからです。

 

基本は読み切りの形で鑑定にだされたものと、それをめぐる人とのやりとりを読んでいくのでよみやすいです。ジャンプみたいに突然バトルものに切り替わりトーナメント戦がはじまらないから安心。

 

歌舞伎町だから騙しとか、悪い人もたくさんでてくるし、人のいいキャバ嬢も沢山でてきます。でも、七瀬はワルそうだけど信念がある人です。正直バイオレンス×正義みたいなもの。とてもいい人です。だから共感できるし、人の心を掴むタイプだと思いました。しかしあのコワモテだと、キャバ嬢みたいに「七ちゃん」とは呼べなさそうだなぁ。私はずっと七瀬さんって呼ぶことになりそうです。あの親しまれやすさ、嫉妬する。

 

6巻7巻は映像化の話が影響したのか、作中にドラマにでた要素も入ってきます。このへんぜひチェックしてほしい。それからなぜか7巻でこれまででてこなかった車がでてくるという。アイカさんはポルシェ(911かな?)だし、氷川はメルセデスでしたね。CかEクラスっぽかった。

七瀬はフェアレディZかしら…(冗談です)

 

 

漫画だと七瀬のバックグラウンドとかはないですが、これはこれでとてもおもしろいです!

やっぱバランスいいのがヒットの秘訣なのかもな…ともおもったり。観月先生、奥先生の知見は相当奥深いとお見受けしましたが、この手のは語りすぎるとウザいか、キャラが説明役になって作品性としては面白くなくなってしまうリスクがあります。かといって説明をしないでリテラシー高い読者対象だと何も知らない人にはスルーされがちでマス向けにはなりづらい…。だから七瀬は絶妙ですね。

そして「解る」ものが増えると情報過多で生きづらくなったりするとおもいますが(例えばあいつの身につけてる時計や車は〇〇だから、こういう人格でこういう考え方をする…とか。持ってる香水が夜間飛行だから、こいつはサンディグジュペリが好きなのか、相当偏屈だな、みたいなのがわかりやすくなります。)、七瀬からはそれを感じることはないです。いい塩梅に深く受け止めない、っていう人だからかと。

 

ライターの話は天才的だとすらおもいました。七瀬は直接説明したりなんかしなくて「火を貸してやって」だけですべてを、導いてしまうんですもん。短い読み切りタイプでこんな芸当が出来るってなかなかないとおもいます。本当によかった。

 

 

すきなシーンはたくさんありますが、大量に貼って説明するとそもそも著作権としていかがなものかももおもいますので、最後にお気に入りのコマだけはります。興味持たれた方はぜひ新宿セブン買って読んでくださいね〜!!

 

すきなシーン。(響いたシーン)

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これを読んで叶わなくても続けてる人たちの救いになったらいいなーなんて。(主に私ですが)。

 

ではでは!