睡眠、夢うつつ。

日々のことをつらつらと。

夜間飛行。

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ゲラン「夜間飛行」

 

星の王子さまの作者が書いた「夜間飛行」がすきだ。内容は細部まで覚えていないが、戦争中、夜を飛ぶ時は消灯もする。真っ暗な中で飛ぶということは、どんなものなんだろうか。

 

私は夜景が凄く好きだ。そして中二病的には「夜間飛行」の夢をずっとみている。東京の夜景を飛ぶことができれば私の夢は達成だ。もう私の根本に根付いてしまっているのだろう。どんな夜だってその夜景は愛おしいのだ。

 

最近では行ってないが、かつては多くの夜景スポットのために、深夜車で向かった。夜にひそむ吐息と、かすかな孤独と、街のあかり。当時は煙草を吸っていたので、闇に溶けてく煙とともに、夜の時間を溶かすことが好きだった。むせるような空気。湿気、それらすべてが愛おしい。分からない人にはきっとなんでここまで夜が好きか分からないだろうが、私にはこのどうしようもないほど好きな時間帯である。ベッドに潜って時間を潰す夜より、ずっと好きだ。

 

私の夜の世界には私一人しかいないはずなのに、あの頃は何人もが私のテリトリーに入ってきたり、出て行ったりしていた。とくだん私はそれを嫌とも思わず、そのまま受け入れたし、その場その場で闇の中で交わす言葉は、夜の良さだと思っていた。そう、昼間にはけして起きないのだ。月明かりの夜もあれば、雨で気配が消える夜もある。太陽がやってくると、それらは静かに息絶えた。

 

刹那。

 

狂うことなく、静謐な空間で、覚醒している。

眠りはこの時間に必要ない。

人間の健康や、健全な精神であれば本来は寝るべきことだが、夜を愛するものはこの時間こそが自分の時間だ。街が静まり、世界は静かに動く。

 

抗うのではない。本能だ。

 

夜空を見上げると、乱視には見えづらい星がまたたいている。月は物憂げだったり、ときに明るすぎたりと、女のようにくるくると表情を変えて、まったく不安定だ。常に変わらない太陽と違うのは、その迷いからくる魅力だろう。夜だからこそ余計引き立つのかもしれない。昼間に見る白い月はなにも面白みがない。

 

 

「東京タワーが消えている」

さきほどの私は、冬から夏への照明の切替かとおもい、焦って調べた。タワーは消えていたのではない。今宵のダイヤモンドヴェールは先頭部分を消灯したピンクだった。

 

そうか、今夜は満月か。

「道理で」

 

血が騒ぐわけだ。