映画 女王陛下のお気に入り/18世紀イギリスでの王女とその侍女をとりまく世界を描いた狂気めいた作品! アカデミー賞受賞作品「The Favourite 」
こんばんは!
今回はThe Favourite (邦題:女王陛下のお気に入り)についてご紹介してきます。この作品、アカデミー賞最多10ノミネートをされたもので、先日主演女優賞がオリヴィア・コールマンになりました!
ゴールデングローブ賞 主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)受賞、ベネチア映画祭、銀獅子賞・女優賞W受賞をとっているもの。ラ・ラ・ランドのエマ・ストーンの最新作であり、ギリシャの鬼才と呼ばれるヨルゴス・ランティモス監督の作品です。
日本では2月15日(金)全国ロードショーでスタートしました。
ブッ殺されるかもしれませんが嫌な予感がしたとおり、日本人に伝わらないであろう「コメディ」でした。英語圏でカルチャーがわからなければ笑いどころがわからない作品かと思います。日本で上映をするものの、海外でのヒット要因と訳された邦題をみて観客獲得のための苦労はうかがえます。そして観た私の感想は万人受けはしないであろう作品だが見てほしい作品だ、と思いました。
作品としては、ルイ14世のフランスと戦争中のイングランドが舞台。不安定な状況のイギリス国家と女王のアン(オリヴィア・コールマン)を、幼馴染であるレディ・サラ(レイチェル・ワイズ)が操っていたところから話ははじまります。
そこに、サラの従妹で貴族から没落したアビゲイル(エマ・ストーン)が、召使として働くことになり、そこでサラに気に入られ、侍女に昇格したアビゲイル。芽生えてきたのは野心であり、自分の生き残りをかけてサラと対峙していきます。
アン王女は病弱かつかなり肥満の激しい人で、亡くなったときには棺が正方形だったといわれているほどだそうです。映画のなかでも王女は神経過敏で、安寧の気持ちが訪れることはありません。戦時中、世間の動きから逃れるようにベッドで不安に押しつぶされながら寝ているところはいたたまれない気持ちにもなりました。ほとんど序盤は政治に向き合ってもいないためサラのいいなり。サラが国の方針から指示まで王女に伝えて指揮っている状態でした。
そこで没落貴族となったアビゲイル登場。最初から馬車からつきおとされて泥まみれになったりしててかわいそうでした。もっともアビゲイルはかなりタフなので、最初にメイドの仕事でスタートして意地悪なことをされても負けない精神をもっていました。
女王さまはメンタルが弱くて倒れちゃったりするほどでした。アビゲイルがどんどん気に入られて王女に接近していくと、王女もサラの呪縛から解かれてきちんと政治に向き合えていっているので良かったなと思います。サラは王女にあれこれ求めたのに対し(ひどいこともいってたのでモラハラに近いな…と思いました。もちろんブラックコメディだと思うので笑うところなのかもしれないです)。
どんどん昇格したアビゲイル。サラをついに落馬させて彼女が戻ってきたときに色々と言われるのですが、きちんといいかえしてました。
あんまり女同士のドロドローとか大奥とは言いたくないのですが雑に説明するとそんな感じです。もっと深いところをついてるので奇妙ですけども。
その後については映画をみてほしいのですが、基本城の中では良心というものが存在せず、とりまいている人たちの私利私欲のためだけに動かされている世界だなと思いました。美術や衣装はとにかく凝っており、史実とはかけはなれて、狂気めいた作品を演出するための世界観を作っていました。衣装はサンディ・パウエルという有名な人が担当しているのですが、シックに作っていました。
六本木のTOHOシネマズでは実際に使った衣装が展示されていてみることができました。アビゲイルのきてた左の衣装が好きだったので嬉しい。
イギリスのイギリスらしい作品を求めている人にはちょっと向いてないかもしれませんが、アン王女という人を主題において作品が作られていることもあり、3人の女の世界はみていて面白かったです。レイチェル・ワイズのカッコイイ男装のような衣装も見ごたえあるので気になった人は足を運んでほしい作品でした。
ではでは、まどかでした!
公式